- 導入事例インタビュー
私立順天中学校 小林光一先生
社会人との出会いが、着実に生徒の心に変化をもたらしている
私立順天中学校で中等部進路担当を務める小林光一先生に、アスデッサンのキャリア授業「ミライトーク」導入のインタビューをさせていただきました。
小林光一先生
私立順天中学校 中等部進路担当
教員歴12年。大学卒業後、ドレスショップ営業やサッカー社会人リーグ選手を経て教員に転身。
生徒自身が体感する社会人の姿から、自らの将来を考えられるきっかけを作るキャリアデザイン授業を企画。2019年より中等部進路担当へ。
人生のストーリーから多様な選択肢の存在を学ぶ
ー今日はよろしくお願いします!小林先生とアスデッサンとの出会いからお聞かせください。
教員や教育支援に携わる人たちの勉強会で、アスデッサンのメンバーの方と話すきっかけがあったことです。
ちょうどキャリア教育を考える中で、キャリア教育で重要なことは、多様なキャリアのサンプルを知ることだと考えていました。やりたいことがないという生徒たちにも、もっと大人と話す機会を作りたいと思っていた矢先でした。
ーはじめて授業を行ったのは、2018年12月の中2生向けでしたね。
そうですね。なるべく多くの社会人と話せるようにと、「1対全生徒」の講演形式ではなく、「1対3人の生徒」というグループ単位にして、7〜8分ごとに交代していく形式を依頼しました。1時間の授業の中で、生徒は6〜7名もの社会人と話すことができます。さらに、1対3というコミュニケーション濃度の高い空間で対話できるため、生徒は社会人の体験を自分のことと当てはめて考えていくことができます。また、ただ話を聞かされるのでなく、自分の聞きたいことから対話を始められる、これが素晴らしいポイントです。
ー私たちが重視している「多様なロールモデルとの出会い」にも合致しています。
生徒がこれからのキャリアにおいて悩むタイミングは、選択を迫られる時です。
人生の先輩たちが、どのような基準や根拠をもとに選択・意思決定をしたのかという、それぞれの人生のストーリーをできるだけ多く知ることができるのがアスデッサンの授業の魅力だと思っています。
画一の進路ではなく多様な道を選ぶことができるという気づきも与えてくれます。
特に、アスデッサンにはエネルギーのある社会人がたくさん所属していますね。
生徒にも「土曜日の朝から来てくれるようなエネルギーのある人、なかなかいないよ」と、そんな話もしています(笑)
ー生徒の皆さんに変化は表れていますか?
実際の社会に接している人と出会える経験は、生徒に刺激・変化をもたらしてくれています。生徒が気軽に話せる大人は家族や学校・塾の先生くらいですから。
先日(2019年10月)の中学3年生向けの授業でも、生徒たちそれぞれに非常に良い気づきが見られました。このクラスが2年生の時に初めてアスデッサンの授業を受けて、様々な社会人に出会う経験をしたことで、社会に対して興味が湧くきっかけになっていたので、今年はもう一工夫しました。
アスデッサンの授業を受けた一週間後、今度は生徒自身が後輩の2年生に対して、社会人のように話し手となるという授業です。
実際に、話し手となることによって、社会人から聞いた話の中で大切だと感じたことを、自分の言葉で伝える体験ができました。聞く体験・話す体験で、心が動いている様子が終了後のワークシートからもわかります。
1回の授業で終わりではなく、そこで疑問が生まれて行動につながる、次のクエスチョンが生まれるように授業を作っています。
参加後アンケート結果
2019年10月実施 対象:中学3年生 回答数:103
授業を受けて、これから行なっていきたいと思ったことは、「勉強を頑張る」が最多で全体の87%を占めました。また、半数以上の生徒が「高校や大学に行ってみる」「進学先について調べる」といった具体的な行動につなげたいと回答しました。
選択式の感想では、「失敗してもめげずに頑張ろうと思った」「何かに挑戦しようと思った」という、今後のチャレンジに関わる項目の回答が高い結果に。
また、ほとんどの生徒がこのような授業があったらまた参加したいと回答。
ほとんどの生徒が「勉強を頑張る」をあてはまる・ややあてはまると回答
「失敗してもめげずに頑張ろうと思った」「何かに挑戦しようと思った」とあてはまる・ややあてはまると回答した生徒が多かった
103名中90名(87%)がまた参加したいと回答
生徒の感想を紹介します。
生徒と教員と外部団体。三者が充実していることが必須
ー学校において外部団体の活用も促進されてきていますが、活用のポイントはありますか?
ただ、授業を外部に委託するのではいけないと思っていました。どんなに良いプログラムがあっても、やはり生徒のことは私たちが教員のほうがよく知っています。
教員側も外部団体も、自分たちが生徒のためにどうしたいのかをよく対話することですね。お互いを理解しあって作る授業でなければ、どちらかが一方的に推し進める、自分勝手なものになってしまいます。
ー私たちも、既存のプログラム提供だけでなく、先生と一緒に授業を作っていると実感があります。
顔を合わせて、対話して、信頼できる関係だからこそ、パートナーになれます。私たちが日々生徒と対峙して感じる、彼らが求めていることをキャッチして、パートナーを探し、授業を作る。アスデッサンとはこの対話をしっかりやれていると思います。
生徒だけが楽しくてもダメ、参加する社会人や教員の自己満足に終わってもダメ。三者全員が100点満点ではなく70点だとしても、同じように充実した授業を体験しているということが、良いプログラム活用の条件ですね。
↑企画書や社会人のプロフィールシート
↑実際の授業の様子
ーこれからはどんなキャリア教育を考えていますか?
まず、本校においては、私が担当するクラスに止まらず全校でキャリア教育を推進できることですね。
また、中高一貫校という特徴を生かして、学年間のコミュニケーションを増やしたいと思っています。いつ、どの学年に、どんなコミュニケーションが望ましいのかに合わせて授業を作っていきたいです。
また、教室の中に止まらず、自然という非日常で様々な経験をしてみることも、生徒たちのキャリア観を醸成してくれます。様々な授業を企画中です。
アスデッサンの授業で生徒たちの社会への興味関心を引き出せることは、キャリア教育のスタートにおすすめできます。
ーありがとうございました!今後もよろしくお願いします!
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